リスナー様からのリクエストにお答えして「インフラを守るとは?」についてお答えします。
技術部のBVBです。805たんばに入局して6年になります。主に事故障害、巡視、生中継、官庁対応など技術に関わる全般的な仕事を担当しています。

放送局は公共性の高い電波を使ってリスナーに放送をお届けする「インフラ」です。
インフラとは「インフラストラクチャー」の略で国民福祉の向上と国民経済の発展に必要な公共施設のことを指します。
インフラの代表格といえば「学校、病院、道路、橋、鉄道、バス、水道、電気、ガス、電話、放送」などを指します。"FM805たんば"は放送局ですのでインフラに該当します。

インフラを守るために技術部で何をしているのか。実は見えない仕事で私たちの仕事の90%はトラブルを防止するために活動しています。残りの10%はトラブル時の対応です。
マスター設備、音響設備、電力設備、無線設備、通信設備、局舎設備、土木設備・・・どれ一つ欠けても放送をお届けできません。特に電気に関わるマスター、音響、電力、無線、通信は目に見えないものを扱う関係上「故障=放送事故」というトラブルに直結する場合があります。
災害時にリスナーに頼りにされる存在であるためにまずは「電波を止めないこと」「放送をリスナーに届けること」を使命に安全最優先の活動をしています。805たんばの技術員は全員で9名で20代~60代まで幅広い年代層がそれぞれの専門分野の強みを生かして活動しています。

見えない仕事とは何かという質問ですが、9割の仕事は「トラブルの回避」を主にしています。毎月の点検が主な例で毎月点検することで機器の変化を見つけ異常の有無を早期発見するために活動しています。
停電時や災害後には臨時で点検しています。幸いにも今年で開局7周年を迎えますが雷を除いた災害時に805たんばの放送設備に直接的な被害を受けることは今までありませんでした。
見落としがちなところは山の道中にある配電線や通信ケーブルです。本来であれば電力会社や通信会社が対応すべき点ではありますが、点検で異常を早期発見することで二次的トラブルの予防に繋げています。
異常気象が多発する昨今、いつ次に何が起きるかわからない現状では見えない地道な取り組みがインフラを守るという事に繋がります。

パーソナリティやスタジオの中で様々な方に「見える」形で仕事をしていません。文字通り裏方の仕事で正常に電波が出て、放送できて当たり前の世界なので技術の仕事が直接的に感謝されることは実は少ないです。

保守点検をどれだけしてもトラブルはつきものです。設備や運用面で障害を最小限にとどめる工夫、万が一放送が止まってしまっても早期に検知するシステムの構築、復旧体制の確保や連絡体制の構築、技術員の非常時の訓練など様々な工夫をして今に至ります。
求められるのは放送を止めないこと 仮にトラブルが起きても大きな影響にしないこと
毎月の点検ではそれほどの成果は得られませんが、積み重ねをしていくことで大きな力になります。

設備障害はいつ、どこで、どのように起こるかわかりませんし時間は待ってくれません。
例えば停電が起きたとき、警報メールを確認し送信所のカメラを確認します。今どのようになっているか、天候、推定される原因など次に何をすべきかを瞬時瞬時の判断力が求められます。

ラジオ放送はリスナーが聞いてくださって初めてラジオ放送局としての存在意義があります。
その放送をお届けする最前線・最後の砦に技術部の活動があり我々にしかできない仕事です。

技術部の9名は無線従事者を含め全員がボランティア 職員ではありません。
職員ではないのになぜここまで出来るのか「放送をリスナーに届けるという熱い思い」があるからです。そして「リスナーに放送をお届けすることが最高のサービス」だから 関わっている全員が「ラジオ」好きというのもありますが・・・
805たんばはパーソナリティ、制作、技術に至るまでほぼすべての分野で市民ボランティアが活躍しています。この運営方式をとっているコミュニティFM局を探してもそう多くはないです。
平日の仕事をしている間はどうしているのか…事務局の方にお願いして監視をして頂いています。

805たんばの設備は他のコミュニティFM局とは異なりすべての送信設備が高い山頂にあること
ビルや丘の上にあるわけでもなく深い山を登った先に送信設備があります。そのおかげもあってか、805たんばの放送は丹波市内だけでなく西脇市、多可町、丹波篠山市、福知山市、綾部市など広範囲でFM放送を直接お聞きいただくことができます。実は近畿地区40局のコミュニティFM放送局の中で最も広いエリアをカバーしています。
大雨、雷、大雪、地震時など災害時には技術部の総力で放送を届ける使命を果たすため待機や巡視点検、時には事故復旧をしています。不安な時に聞いて安心できるラジオ局であり続けるためにこれからも努力していきます。
これからもFM805たんばをよろしくお願いします。

ご意見、ご感想、技術部の仕事についてご不明な点がありましたらコメント欄にお寄せ下さい。

記:BVB

(以下、活動の写真です)
・各送信設備で停電時の非常用発電機のメンテナンスと定期巡視点検
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・大雨後の巡視点検の様子(道路が損壊している様子)
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・中継所のバッテリーを交換するために運搬作業をする様子
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・事故巡視後の点検の様子(大雨後)
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・雪の日も点検に向かいます
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・問題を見つければ鉄塔に登って確認します
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