2022年12月10日(土)22時~22時50分に丹波市氷上町の安全山送信所は放送設備のメンテナンスのため夜間停波を実施しました。

出動者はBVB局1名です。
週明けから本格的な寒波がやってくるのを前にできるだけ早く作業を進めました。
作業時間帯はリスナーの皆様には大変ご迷惑をおかけしました。今後とも設備のメンテナンス作業にご理解とご協力をお願いします。

安全山送信所は放送局の送信設備の中では最も充実した設備を持っています。親局という放送のメインを支える設備で送信機も2台、発電機や蓄電池、予備機材に至るまで準備が整っています。

市辺のスタジオを出たのは21時頃 山頂まで車で30分~40分くらいかかります。
氷上、柏原、春日の夜景を見れる場所がありますので写真を撮ってから移動です。夜間作業ならではの特権ともいいましょうか写真ではわかりずにくいですが冬の丹波はとても星空が綺麗な地域で月もきれいでした。
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停波作業前にまずはこれから使う送信機の内部点検からスタートです。ゴミや異物が入り込んでいないか、ショート痕が無いか基盤の隅から隅まで懐中電灯を使って念入りに点検していきます。
仕上げはエアダスターでエアーを吹きかけて清掃完了 蓋をしてもとに戻します。
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停波作業を始めるとまずは送信機の出力測定から始めます。無調整で20W(表示の10倍)でした。
点検結果はもちろん良好です。
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続いて、スペクトラムアナライザーを使って送信波形のデータ収集
アンテナアナライザーを使ってアンテナのマッチングを測定します。異常はありません。
特にアンテナや同軸ケーブルは屋外に出ている設備 コネクタなどから水が入り込むと数値が悪くなったり過去の測定データに差異が生まれてきます。
過去数年にわたってデータを取ってきているため障害発生時の早期発見や原因特定などに役立てます。
基本的に同軸ケーブルは20年近い耐久性を持っていますが早く劣化する要因として施工不良(コネクタの防水不良やケーブル通線時の傷からの劣化)があげられます。他には外的要因(誘導雷や鳥がつつく)などでも劣化します。自然が相手ですので仕方のない部分はありますが異常は早急に見つけて対応しなければなりません。

一通り作業が終わったら復元作業を始めます。
操作票という手順書に基づいて指さしと声に出して「自問・確認・自答」基本的な事ですが、人のミスを防ぐには最も有効な方法です。
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作業が終わるころには月が高くアンテナの真上あたりに来ていましたので写真を一枚。
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施錠もしっかりして送信所を退局します。DSC_9979
送信所の屋外にはカメラを設置しており気象状況や積雪量の確認などに役立てています。DSC_9980
折角なのでアマチュア無線をしてみましたが、ノーメリット(応答なし)時間が時間ですので仕方ありません。
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山から下りる時も気を付けて下山します。下山は日付けが回る少し前。今日は早く終わったほうかな…DSC_9985

記:BVB